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 コンデンサ その1 

 【 コンデンサ:その1 】

 みなさん、こんにちは!
 

 今回は、みなさんも興味津々のコンデンサについてです。
よく、ギターでもアンプでもエフェクターでもコンデンサを替えると音が変わると言いますよね。
この手の話は尽きることがないと思いますが、それほどコンデンサはみなさんの興味の的だと思います。
ではこれからコンデンサとはどういうものなのかをお話ししてみたいと思います。

 コンデンサのそもそもの働きというのはズバリ、直流を通さない(ブロックする)というものです。
ここでコンデンサの写真が載っている図を見てください。
図の上段中央に回路図にコンデンサのシンボルがあります。
この絵が示すように、コンデンサとは二つの電極(金属)を向かい合わせて作られた素子なんですね。
そしてその電極の間は基本的に何もないんです(真空です。実際は誘電体がありますが・・)。
これを考えますと,この電極間、つまりコンデンサに電流は流れそうにないですよね??(何にも

ありませんから!)
そうなんです、コンデンサには(直流)電流は流れないんですよ。
じゃあ、なんで電気が流れないようなコンデンサをギターやアンプの回路に中に使うの??って思いますよね。

では、なぜこのように電気を通さないコンデンサを電気回路の中に使うのかということをご説明しましょう。
まず一つ目の使い方ですが、これはみなさんよくご存知の通り,トーン回路に使います。
コンデンサは、後で説明するように、直流は通さないのですが交流は通すんですね。
それも、周波数の高い交流ほど通しやすいんです。
この性質と抵抗、またはコイル(インダクタンス)を組み合わせるとフィルターという回路を作ることが

出来るんです。
このフィルターには、大きく分けて、低い周波数を通すローパスフィルタ(LPF)、高い周波数を通す

ハイパスフィルター(HPF)というものが有るんです。
このLPF、HPFを使って、または上手く込み合わせてトーン回路が構成されているんです。
ギターのトーンももちろんこのフィルターが使われています。
というように、コンデンサは、交流を通す、また高い周波数をより通しやすいと言う性質を持っているので、

トーン回路に必ずといっていいほど使われてるんですね。

そしてもう一つの使い方ですが、アンプやエフェクターなどの電気回路にはいろんな役割を持った部分が

あって、その部分部分の回路がそれぞれ必要な電圧で動いてるんです。
一つ例を上げますと、エレキギターのピックアップはGND(グランド、アース)を基準に動作している、

つまりGNDの電位(ゼロボルトとしましょうか)を中心にギターのピックアップが出力する信号が+側、

−側に振れてる(動いてる)んです。
しかし、そのギターの信号が入力される多くのアンプやエフェクターの回路は、実はギターの信号が

GND(ゼロボルト)中心に振れていたら困る場合が多々有るんです・・・。
というのは、アンプはエフェクターの入力部は、とある電圧を中心に上下に振れるギター信号でないと

ちゃんと増幅出来ない構成になっているものがあるんですね。
さて困った・・・。
アンプやエフェクターの入力部はとある電圧を中心としたギター信号が欲しいのに、ギターからはGND中心に

しか振れない信号しか来ないではないか・・・。
そこでコンデンサの登場です!

ここでギターの写真がある2枚目の図を見てください。
図のようにギターから出力される信号はGND(ゼロボルト)を中心に振れています。
右の方に四角で囲った部分がありますが、これはアンプ,エフェクターを表しています。
アンプ、エフェクターの図の中の三角の部分が増幅回路で、それとギターの間にコンデンサ(赤)が入って

いますよね?
このようにコンデンサを挟み込むことによって直流であるGND(ゼロ)電位を遮断しているんです。
さきほどコンデンサは直流は通さないと言いましたが、直流であるGND電位(ゼロボルト)という情報も

通さないんですね。

そして、そのコンデンサの直後にVボルトという電圧を発生する回路と抵抗が接続されていますが、

これでアンプ、エフェクターの入力部(三角の増幅器)が必要とする電圧にギター信号が振れる中心電圧を

持ち上げているんですね。
これを“バイアスを与える”なんて言います。
では,ギターの出力の中心であるGND(ゼロボルト)とアンプ、エフェクターのバイアス電圧(Vボルト)の

差:電位差はどこに行ってしまったのでしょうか?!
そうなんです、コンデンサにその電位差分の電荷が溜まることによってその差を吸収してるんです!
このように、コンデンサは直流を遮断して、新たに直流電圧を与え直す場合に使われる非常に重要な

部品なんでね。

今回はコンデンサの基本的な使い方をお話ししました。
次回はもうちょっとコンデンサの内部に入り込んでお話ししてみましょう!
では、乞うご期待!

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