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【 電気伝導って?:ギターの音の伝わり方 】

みなさん、こんにちは!

Fats Sound Laboratoryの厚木ファッツです。

電気というのは不思議なものですよね〜。

まず、目に見えません!

でも、確実に存在する・・。

スマホも通じるし、TVも見れる、燈もともるし、エレキギターだって音が鳴る!

これ全て電気の恩恵ですよね。

さて、僕たちがジャラ〜ンとエレキギターを弾いたとき、その音の電気信号ってどのようにシールドケーブル〜エフェクター〜アンプを伝わっていくのでしょうか??

よく言われるのが、ギターのピックアップの電圧信号によってケーブル内の電子が動かされ、その電子が

シールドケーブル〜電気回路内のワイヤーやトランジスタ、抵抗などを通ってアンプまで到達し、

音が鳴るというモデルです。

それを踏まえれば、たとえば1mmの径のワイヤーに1Aの電流が流れてる時の電子の速度(ドリフト速度)って

秒速0.1mmだそうですので、ジャラ〜ンとギターを鳴らしても長〜いシールドケーブルを使ってたらアンプから

音が出るのにタイムラグがあるはずですよね??

でも実際はギターを弾いた瞬間にアンプから音が出ます。

もっと身近な例では、遠くにある電灯もSWを入れた瞬間にパッと点きますよね。

それはなぜかと言いますと、ギターの信号は電子ではなく電磁波としてシールドケーブルやエフェクター、

アンプ内のワイヤーに沿ってほぼ光速で伝わるからなんです。

その光速の電磁波が伝わった先にある電子を揺り動かしているんですね。

決してギターから電子が長旅をしてアンプまで届くということではないんですよ(実際は電流を電子の動く

方向は逆ですが)。

さらに言うと、エフェクター、アンプに入ってるコンデンサは電子が通り抜けることは出来ません!

これからも電子が長旅するというモデルは違うな、と分りますよね。

とどめは、ギターの音の信号って交流ですので、電子は行ったり来たりしており、決して一方向に流れてる

わけでもないんです。

確かに電流は電子の流れなんです。

古典物理ではシールドケーブルとかの金属の中にたくさんある電子が電圧によって動かされるというドルーデ

モデルという理論が提唱されてました。

しかし、後に量子力学の登場によってこの理論が覆されるんです。

結論から言いますと、金属内の全ての電子が電流に加担しているわけではなく、そのごく一部が電流の成分になってるということなんですね。

電子というのはフェルミ粒子と言いまして、とある規則によって行動しているんです。

その規則とはパウリの排他律といいまして、二つの電子が同じ状態を取ることは決してない、という法則です。

なので、二つの電子は場所はもとより、持っているエネルギーも同じレベルのエネルギーが持てないんですよ。

二つとして同じ電子はないんです。

その結果、みなさんが教科書で見たことのある、原子核の周りに規則正しく電子が分布している状態に

なります。

やりませんでした??

一番内側の軌道には電子は2個、その次の軌道には6個・・・とか。

あれです。

そして、金属の中には膨大な数の電子があり、それがらパウリの排他律に従って一番低いエネルギーから少し

ずつ高いエネルギーレベルを順に埋めていくという感じで存在してるんですね。

その場合、いくらギターをジャ〜ンと弾いてそのエネルギーで電子を動かそうとしてもぎっしり詰まった低い

エネルギーレベルにある電子は身動きが取れないんです。

なので、一番エネルギーが高いあたりの電子のみ電流に加担するんです。

そしてその電子が電流として流れるわけですが、金属にも、超伝導でもないかぎり抵抗成分がありますので、

電子がある程度散乱されながら動きます。

これがみなさんが気にされるシールドケーブルの抵抗で音が劣化するということに繋がって来るのですが、

みなさんが通常ギターを弾く環境の温度ではどういう抵抗成分が支配的なのか?

それは金属を構成している銅とか銀の原子核が持つポテンシャルエネルギーの振動なんですよ。

電子はそのポテンシャルの振動に散乱されて抵抗を感じます。

決して原子核そのものに電子はぶつかったりしません!

(そもそも原子核はプラスで電子はマイナスですので、ぶつかったら消滅しそうですし、またハイゼンベルクの

不確定性原理や量子力学そのものがそれを許しません)

よくシールドケーブルの謳い文句に不純物がなくて音の劣化がないとか書かれてたりもしますが、物凄い低温で

あれば不純物の有無が効くことはあっても、普通の室温であればそもそもの銅とかの原子核のポテンシャル

エネルギーの振動が抵抗成分のほとんどですので、不純物の有無なんて関係ないんですよね。

エフェクターの中のワイヤーも同じです。

さらに、金属などのバルク(塊り)の中では、電子はもはや粒ではなく波として伝わりますので、不純物に粒が

当たって跳ね返されるという描像も当てはまりません。

抵抗成分での音の劣化を電気信号の振幅が小さくなることだというのであれば、そんなものはアンプの

ボリュームを上げれば済む話ですしね。

確かに信号レベルが極端に小さくなって、相対的に外来ノイズのレベルが大きくなった場合は音質の劣化が

認められるでしょうけど、ワイヤーやシールドケーブルでそこまで電気信号の振幅は小さくなりませんか

ら・・・。

昔、自作アンプのスピーカーケーブルで、有名なベルデンと中国製かなんかの投げ売りの細〜いケーブルを

つなぎ替えて音質比較したことがあるのですが、僕にはその差が全く判りませんでした!

そんなもんです。

ということで、まとめますと、ギターの信号はシールドケーブル、ワイヤーに沿って電磁波として光速で

伝わる。

電流は電子の流れではあるが、室温においては電子は波として金属の中を流れ、金属を構成している物質の

原子核のポテンシャルの振動を抵抗として感じている(不純物は影響なし)。ということが理論的に解明されて

います。

まあギターを弾いてる時はこんなこと考えてませんけどね!

  電気伝導とは  

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