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 バッファってなんじゃ その2 

 

【 バッファってなんじゃ?:その2 】

みなさん、こんにちは〜。

バッファってなんじゃ?の続きです!

前回は、バッファとは、そこに入って来たギター信号が(ほぼ)そのまま出力される、つまりゲイン1の

アンプがバッファですよというお話をしました。う〜ん、そう考えるとつくづく変ですよね・・・。

入力されたギターの信号が単にそのまま出て来るだけなんて,そんなもん要らんやろ・・・って

思いますよね??

一方,せっかくバッファの前で加工されたギター信号を改めてバッファで追加的に加工するのも変だから、

そのまま出て来るのもうなづけるし・・・。じゃなんで、バッファなんてものが要るんだろう・・・。

では今からそれを説明しましょう。

バッファが必要な場合は大きく二つの場合と考えて良いでしょう。

まずはその一つ目。

結論から言いますと、前回も書きました通り、みなさんが長〜〜〜〜いシールドを使った場合にギターの

ハイ(高音)が落ちないようにするためです。

長いシールドを使うと音がコモりますよね??

あれ、ヤですよね!

では、なぜバッファがあると長いシールドを使っても高音がヘタらないのでしょうか?

図を見てください。

長いシールドは、実はそこに大きいコンデンサが形成されてしまうと言うのはみなさんもご存知かと思います。

シールドケーブルというのは、外来ノイズからギターの信号を守るために、ギターの信号が伝わる芯線の

周りをグルっと金属の網で巻いてあるんです。

この金属の網はグランド(アース)に接続されているのですが、この網と芯線、芯線を覆っている被覆と

でコンデンサが構成されてしまうんですよ・・・。

これは避けれません・・・。

そしてこの場合、ギターの信号がシールドを伝ってアンプに届く途中で、ギターの信号の高音成分が

コンデンサを通って逃げて行ってしまうんです。

ほら、コンデンサって高い周波数の信号(高音成分)を通して、低い周波数の信号(低音)は通さないと

言いますよね。

なので、ギターの高音成分だけがシールドのコンデンサを通ってグランド(アース)に逃げて行ってしまい、

コモった音になってしまうんです。

このように、ギターやエフェクターから出て来る信号はアンプだけでなくシールドも同時に駆動して

いるんですね。

なので、このシールドについて回るコンデンサで高音成分がなくならないようにするには、そのコンデンサに

十分電流を流せるようにしておけば良いわけです。

その役割を担うのがバッファなんですよ。

もし、図の上側のようにアンプの出力がシールドに直接繋がれていたらどうなるか?

(ファズに入ってるアンプみたいですね)

このアンプだって増幅器と言うくらいですから、シールドのコンデンサに電流を十分ながせるんじゃないの??

それが思うように出来ないんですよ・・。

アンプの出力ジャックのところに赤い上下に波打つ信号の絵がありますよね。

これをギターの信号だと思ってください。

本来のギター信号は図の抵抗Rのところで発生する(上下運動する)電圧成分です。

その信号が上に向かって上がって行く場合、赤い矢印の着いた線のように電流が流れて(吐き出されて)、

その電流がシールドのコンデンサに流れ込みます。

なんだ、コンデンサに電流流せんじゃん、って思いますよね。

そうなんです、流せるんですよ。

いや、流せるんじゃなくて、流れちゃうんですが・・・。

その電流って図をよく見ますとアンプの一部である抵抗:Rを通じて電源(9V)から流れてますよね?

するとどうなるか??

昔習ったオームの法則:E=IRによってその抵抗に電圧Eが発生します(シールドのコンデンサがあるがための

余分な電圧という意味です)。

すると、出力ジャックにおける電圧が、一定の電圧である電源9VからE=IRで発生した電圧の分だけ下がって

しまうんですよ。

このように、シールドのコンデンサがあるがために、そのコンデンサにアンプが電流を余計に流さなくては

イケナくなり、その余計な電流のおかげで本来ならばもっと上に上がらなければイケナいギターの信号が

上がりきらない、つまり、高音成分がショボってしまうんですね。

逆に、ギター信号が上から下に下がる場合はと言いますと、今度はアンプのトランジスタが入力信号に応じて

電流を引き込みます。

もしシールドのコンデンサがない場合は、トランジスタはギターの信号に応じた電流をその上側の抵抗を通じて

引き込むだけで良いので、ちゃんと信号が下まで下がります。

しかし、シールドのコンデンサがある場合は,コンデンサに溜まった電荷も引き込まなければいけません

(電荷=電流と思ってOKです)。

その時,トランジスタはその入力信号が命令した分しか電流を引き込まないので、シールドのコンデンサから

電流を余計に引き込む分だけ、上の抵抗から引き込む電流(本来のギター信号の成分)が減らざるを得ないんです・・・。

すると、またまたE=IRの登場で、抵抗Rから流れる電流:Iが減るのですから、そこの電圧であるEも小さく

なってしまう、つまりギター本来の信号が小さくなってしまうんですね。

このように、ギターの信号が下がる場合も高音成分がショボってしまうんです。

これが、長いシールドで高音がなくなってしまう(音がコモってしまう)メカニズムです。

 ※抵抗Rとシールドのコンデンサによるローパスフィルタ、”信号の分圧”という考え方で説明するのが

  簡単なのですが,今回はあまり語られない”スルーレート的な考え方”で説明しました。

  また、コンデンサにおける電流と電圧の位相に関しては触れておりません。

さて、このような高音成分のショボりを回避するにはどうすれば良いのか?!

図の下側を見てください。

アンプの出力にバッファがついてます。

この場合,アンプの出力には、シールドではなく、バッファの一部であるトランジスタがくっ付いています

よね。

アンプはシールドを直接見てはおらず、今度はバッファのトランジスタを見ていることになります。

そして、そのバッファのトランジスタはシールドと比べると無視出来るようなコンデンサ成分しかありません

ので、上で見た様なギター信号のショボりがないんです!

この構造って、バッファがアンプとシールドの緩衝になってますよね?

そうなんす、バッファを英和辞典で引いてみると、まさしく”緩衝(緩衝器)”と出ています!

そして、バッファがアンプの替わりに、本来のギター信号をショボらせることなく、シールドのコンデンサに

十分な電流を流すので高音成分がなくならないんです!

ではなぜ、バッファはたくさんの電流を吐き出したり、吸い込んだり出来るのでしょうか?

それを説明するとまた長くなりますので,次回にいたしましょうか?

みなさんも、もうお腹いっぱいですよね・・・。

ではまた次回,よろしくお願いします!

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