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 コンデンサ その3 

【 コンデンサ : その3 】

 みなさん、こんにちは!
引き続きコンデンサについて書いてみたいと思います。

さて、前回まではコンデンサの基本的な動作、役割について説明しました。
その役割とは、電気(電荷)を溜める、直流をカットする、つまり直流をブロックし交流を通すということ

でした。
そしてコンデンサの電極の間に誘電体を挟むと電気を溜める量が増加する(容量が上がる)ので、

小型化が出来るということもお話ししましたね。

 ちょっとここで図を見てください。
そこにコンデンサの容量を表す式が書いてあると思います。

 コンデンサの容量値:C=ε×S/d

と言う式ですが,これが何を意味するかを考えてみましょう。
まずSですが、このSはコンデンサの電極の面積を表しています。
Sは分子にありますので、このS、つまりコンデンサの電極の面積を大きくすると容量値が増えるんです。
?!!
しかし、みなさんが知ってるコンデンサって小さいですよね??
全然面積大きくないじゃん!

そうなんです、小さいんです。
でもここに面積Sを増やす工夫がなされてるんですよ。
世の中のコンデンサは、同じく図の左下にあるように電極を重ねるような構造にしたり、くるくる巻いたり

して面積を稼いでるんです!
このように電極Sの面積を稼いで小型でも大きい容量のコンデンサを実現しているんです。

次に分母のdですが、これは電極間の距離です。
dは分母にありますから、このdを小さくする、つまり電極間の距離を縮めればコンデンサの容量が増えます。
これも図のように電極を重ねたりくるくる巻いたりして電極間の距離を縮めるという工夫をしてるんですね。

そしてεですが、これは誘電体の誘電率と言う定数で、誘電体の物質で決まる値なんです。
この誘電率が大きければコンデンサの容量値が増えると言うことなんですね。

このようにコンデンサの容量値が決まってるんです。

以上の話を聞くと,コンデンサって単に電気を溜めるだけの素子で、それ以外には何しないですよね??
さて、よくコンデンサを替えると音が変わるって言うじゃないですか?
この電気を溜めるだけの素子がどうして音に影響をあたえるのでしょうか?

上記の話から、コンデンサが音に影響を与える要素ってありますか??
電極の面積??距離??誘電率??
誘電率って単なる数値ですよね??

おそらく、コンデンサを替えて音が変わると言うのはコンデンサの構造に関係してるのではないで

しょうか・・・。
図の右上を見てください。
実際のコンデンサは、電極を向かい合わせにしただけの構造ではなく,誘電体や電極、リード(足)の

抵抗性分(寄生抵抗)、電極がくるくる巻かれていればそれがコイルに見えると言う寄生インダクタンスが

あり、これらの要素が複雑に絡み合ってコンデンサ特有の周波数特性を醸し出していると思われます。
周波数特性とはトーンに他なりませんので、やはり構造的なものが音に出てると思われます。
まあそれがどれだけドラスティックに効くのかは疑問ですが,全く関係ないと言うことは、ないと思います。
音が変わるということは音の信号の周波数成分が変わると言うことですので,コンデンサの寄生成分が音の

周波数成分にどう影響を与えるか?ということを理論的に話さなければいけないと思います。
ユーザーが、コンデンサを替えて音が変わる!というのはまだしも,コンデンサを提供する側は理論的に

話さない訳にはいかないでしょうね・・。
ちゃんと理論的に音の周波数成分がどう変わるか、を語らなければいけないと思います。
そうでないと科学ではなく精神世界になってしまいますからね。
僕はコンデンサでドラスティックに音が変わるとは言いませんけど・・・。

最後に,図の右下にコンデンサの種類による特徴をまとめておきますね。

ということで、3回にわたってコンデンサのお話をいたしました。
みなさんのギターライフの何らかの参考になれば幸いです!
では、では!

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