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  ノイズの話  

 

【 ノイズの話 】

 さて、ちょっとノイズの話をしてみましょうか!
以前も同じような話をしたかもしれませんが、またちょっと切り口を変えてお話ししてみたいと思います〜。

皆さんもギター、特にシングルコイルのストラトを使った場合のノイズって気になりますよね〜。
ここでノイズ全般のお話をちょっとしてみましょう。
ノイズの原因は何なのか・・・・。
今回は真空管はちょっと置いといて、エフェクターに使われる半導体やそれを使った回路について注目しますが、図の1枚目を見ながら説明しますね。

まずノイズの原因となるのは熱ノイズ。
これは抵抗で必ず発生するノイズです。
またトランジスタの内部など抵抗とみなされる場所、つまりオームの法則が成立する箇所でも発生するんですね。

次にショットノイズです。
これは半導体のPN接合部を電流の素となる電子が移動(拡散)するときに、その揺らぎによって発生するノイズです。
トランジスタ、ダイオードで発生します。

そしてフリッカノイズ。
これは1/f(えふぶんのいち)ノイズとも言いまして、文字通り周波数が高くなるにつれて減少していくノイズです。
言い換えれば、低周波で目立つノイズですね。
これは、例えばトランジスタのギターアンプにも使われているMOSトランジスタの構造的なことを原因としたノイズで、MOSの酸化膜とシリコンの界面にあるエネルギー準位に電子が捕まって、また解放されるときの揺らぎによるものと言われています。
ちなみにこのフリッカノイズは抵抗にも存在します。
カーボン抵抗より金属皮膜抵抗がローノイズだと言われるのはこの1/fノイズが金属皮膜抵抗の方が小さいからだと言われています。

さらにバーストノイズというノイズがあります。
これはトランジスタや抵抗に入ってしまう不純物によって、たま〜にポンっと出るノイズなんです。
なので、ポップコーンノイズなんて言われたりしますね〜。

以上が、アンプやエフェクターに使われている部品が発生させるノイズで、従ってアンプやエフェクターが自発的に出すノイズになるんですね。
もちろん、後で説明するように回路の組み込みが悪い場合も電源由来のノイズや飛び込みノイズが発生します。
この組み込み、ワイヤリングは設計者、技術者の腕の見せ所何ですね!

そして次に外来ノイズ。
これは電磁波が回路やギターのピックアップに飛び込んで発生するノイズです。
先ほど言いましたように、シングルコイルはこれがヤですよね〜!!
では、回路にはどうやってこの外来ノイズが飛び込んでくるのでしょうか?
ここで2枚目の図を見ていただきますと、回路に赤い矢印でループが書かれていますよね?
ループとは文字どおり輪っかのことで、電気回路を組んだときに出来る部品と配線による構造的な輪、スペースのことなんです。
ここに電磁波が飛び込むと電磁誘導の原理でノイズが発生してしまうんです。
これを防ぐためにはループを小さくしなければいけません。
なので、長い配線などは2本の配線を撚ってますよね!
これはループを作らないためと、またその配線に流れる信号成分が逆に電磁波を出さないようにするためでもあるんですよ。

そのほか、実は回路を組む時のグランド(GND、アース)をどこに繋ぐか、でもノイズが出ます。
一般的にこのへんの技術をグラウンディングといい、非常に難しい知識、技術なんです。
グランド、アースってどこにでも繋げばいいというものではなく、信号の流れやその大小をちゃんと考えて配線しなければいけないんですよ。
この辺の話をすればちゃんとした技術者かそうでないかは一発で分かります。
もちろん僕はマスターしていますよ!

さて、ここで皆さんがスタジオやライブ会場で運悪くノイズが大きく出てしまった時のノイズの発生箇所を簡易的に調べる方法を書いてみますね。

まずギターのボリュームをゼロにしてみてください。
これでノイズが綺麗サッパリ消えたら、ギターが拾っているノイズです。
諦めるか、体の向きを変えてみたりするしかないでしょうね!
もしそれでもノイズが残っているならば、今度はアンプとエフェクターを疑います。
まずはギターをアンプ直にし、同じくボリュームをゼロにしてください。
ここでアンプのボリュームやトーンを上げてノイズがやたら大きかったら、アンプが出しているノイズの可能性があります。
僕が自作アンプでよくやるのが、ギターのボリュームをゼロにしてアンプのつまみを全部フルアップにします。
この時のノイズがアンプの実力になります。

そして、もしアンプのノイズが許容範囲で小さければ、今度はエフェクター、例えばオーバードライブを繋ぎます。
アンプのボリュームを適当にセットし、ギターのボリュームはゼロ、そしてオーバードライブのボリュームやゲインなどつまみを上げていきます。
このときに出るノイズがエフェクターが出すノイズになります。
エフェクターが出すノイズは先ほど説明した各種ノイズが合わさったものですね。
オーバードライブなどはグランドの配線が悪ければジリジリとイヤなノイズが出ますし、パワーサプライからの同じくジリジリノイズやブーンというハムノイズが聞こえると思います。

こうやれば大体どこでノイズが発生しているか、どこのノイズが支配的かが分かりますよね。
そして家に帰ってからその原因をやっつけましょう!

ということで、今回はイヤ〜なノイズの話をしてみました!

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